2015年11月14日土曜日

手作り 「くまとりモーター」

「くまとりモーター」は単相誘導モータの一種で、
扇風機のモータとしてよく使用されています。
交流モーターを回すためには、位相の異なる2相以上の交流が必要です。
しかし一般家庭用では単相交流のため、
位相の異なる交流を流すことが出来ません。

単相誘導モータを回すためには、
コンデンサを使って位相の異なる補助コイルを設置したり、
今回の実験のように、くまとりコイルを巻いて、
補助コイルに位相の異なる電流を流す工夫がされています。
(コンデンサを使った実験方法及び回転磁界の発生する理由はこちらをご覧ください)

「くまとりモータ」は鉄心に主コイルと補助コイル(くまとりコイル)が巻かれ、
主コイルに交流電流を流すと、補助コイルには相互誘導により 起電力が発生して
誘導電流が流れます。
この誘導電流は主コイルに対して遅れ位相となります。
その結果、主コイルと補助コイルに生じる磁界にも位相差が生じ、
その合成磁界は時間とともに回転する回転磁界となり、ローターが回転する仕組みです。


今回は電源トランスを使って、家庭用の100Vの交流を612Vに減圧して
アルミ製のペンシルキャップにうず電流を誘導することで回転をします。

今回使用した電源トランスは Toyozumi HT-1205 です。
 入力100V、出力は6,8,10,12V 二次側の定格電流は0.5Aまでのものです。

不要になった電源コードなどを切断し、
差し込みプラグ側のコードを電源トランスにハンダで接続します。
接続したところは、絶縁テープ、絶縁キャップなどでキッチリ絶縁して下さい。

安全に実験を行うためにヒューズを入れておきましょう。
今回、中には0.2Aのヒューズを入れました。

鉄心にはシャックル (スチール製 9mm) を使用しました。

絶縁とポリウレタン銅線(UEW) のすべり防止のためにテープを巻いてから、
0.2mmφのUEWを1500回巻きます。
(巻き始めと巻き終わりは約10cm程度残しておきます。)

右が0.2mmφのUEWを1500回巻いた状態
(この装置は0.35mmφのUEWを300回巻いた装置でも回転しますが、発熱量が多くなります。)
試しにやってみる程度なら、0.35mmφを300回の方が簡単に出来ると思います。
(電源トランスの二次側電流の高いものを使用のこと)
左はくまとりコイルとして、0.9mmφの銅線を8回巻いて、両端は結び付けてあります。
(銅線は被覆もないので、完全に短絡した状態です。)

これを固定させるために、
金折をシャックルの径に合わせて、ペンチで折り曲げます。

高さ約3cmの木片にシャックルを固定し、

これを15cm×6cm程度の板に固定。
主コイルと補助コイルの間に長さ65mmの銅釘を立てます。
(銅釘がなければ鉄釘でもOKです。)

主コイルの巻き始めと巻き終わりに、ミノムシクリップを接続し
接続部分は絶縁テープなどで絶縁しておきます。

この銅釘にアルミ製のペンシルキャップをかぶせて回転させますが、
回転の様子がよくわかるように、
ストローに切り込みを入れて作った傘をかぶせています。
(アルミ製のペンシルキャップはキャンドゥ、セリアで購入出来ます。
ダイソーで販売されているものは、ステンレス製のため、うまくいきません。)
(2015.11月情報)

シャックルの横に電源トランスをネジ止めすれば完成です。

差し込みプラグをコンセントに繋ぎ、
ミノムシクリップの1つは0Vの端子へ接続。
もう1つのミノムシクリップは6~12Vの端子に繋ぎます。

6~8~10~12Vと電圧を上昇させるにつれ、速く回転します。


video
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今回は0.2mmφのポリウレタン銅線を鉄心に2000回巻きましたが、
0.35mmφのポリウレタン銅線を300回巻いた装置でも回転します。
(二次側電流の高い電源トランスを使用)

また本来の「くまとりモーター」は、
うず電流を軽減させるために積層されたケイ素鋼板が使用されていますが、
今回は塊状鉄心で行っているために、発熱が激しく 
0.35mmφのポリウレタン銅線を300回の装置では
10分程度 回転させるだけでもかなり熱くなるので要注意です。

この写真は扇風機から取り出した、実際の「くまとりモーター」です。



(コンデンサを使った実験方法及び回転磁界の発生する理由はこちらをご覧ください)

今度は私の目の下のくまとり対策を考えないと!


(Flashで作成しているため、スマホや携帯で見れない場合があります。)